ルーティンワークはつまらないという誤解

ロボット代替による職業消滅を考えるとき、いつも出てくるのが
ルーティンワークはロボットにまかせ、人間はもっと創造性豊かな
仕事ができるようになる、という言い方だ。
こういう言い方がされるときに基本になっているのは、
「ルーティンワークはおもしろくない」という考え。
もっと言えば、人間的でないという考えだ。
これはチャップリンの映画「モダンタイムス」でも提示された。
一日中、ネジをしめるだけの仕事は人間疎外だというわけだね。
これこそルーティンの象徴みたいなものだけど、
ルーティンが楽しい、ルーティンこそ快楽だって人もいると思う。
同じ作業を繰り返すことで、脳内に快楽物質が分泌される
なんて話もあるくらいだ。
ランナーズハイもそれではないかという人もいる。
いまだに工場で商品を箱に詰める作業を何十年もやっている
パートのおばちゃんがいる。
このおばちゃんがイヤイヤやってたら何十年も続かないだろう。
たぶん、おばちゃんの頭の中は快楽物質が分泌されてて
楽しくてしかたがないんだろう。
ルーティンがつまらないというのは錯覚だ。
ルーティンを何十年もやっている人に、
なぜそんなに長くできるのか聞いてみたい。
その秘密がわかれば、人間の理解がもっと深くできる気がする。