尊厳

認知症を扱ったあるテレビ番組を見た。
認知症の症状は、周囲の人の対応次第でその進行を
遅らせることができるのだということを、
実際の認知症患者を追うことで見せていた。
認知症の進行を遅らせる2つのポイントがある。
ひとつは、認知症の人には笑顔で接すること。
もうひとつは、認知症の人の言葉を肯定してあげること。
総合すれば、その人自身をありのまま受け入れてあげることである。
認知症の人の心の多くの部分を占めているのが、不安だという。
自分が忘れてしまうことの不安、できたことができなくなる不安、
自分が誰だったかさえわからなくなってしまう不安である。
それを取り除くことが大切だ。
要は、その人の尊厳を保つことが大事だということだ。
これは認知症でない人でも同じことだ。
人は、自分は有用な人間でありたいと願っている。
誰かの役に立つ存在でありたいと思っている。
それを阻害されるとひどく傷つき、ひどい人は問題行動に出る。
認知症を知ることは、人間を深く理解することにつながる。
おもしろいといってはいけないのかもしれないが、
とても勉強になる話だ。