戦争について

日本は一歩一歩、確実に戦争への道を歩み始めていると感じる。
権力を持ち、安全なところから事態の推移を眺められる人にとって、
戦争はビジネスのタネでしかない。
国境を巡る争いだって、民族の尊厳を持ち出してみるけど、
その実は、油田を得たかったり、資源をあてにしていたりするものだ。
兵器を売ればそういう企業が儲かる。
江戸時代が平和だったのは、権力と富が分離していたから。
権力のある親藩の大名は、石高を低く抑えられた。
権力もあり富もあると、民衆の不満がつのり、社会が不安定化する。
インドのカースト制度もそうなっているという。
必ずしも身分の高い人が裕福ではない。
社会を安定させるための賢い知恵だ。
だが、いまの日本はどうだろう。
権力のある人が富も独占している。
こういうことが進むと、人々の不満は募り、
権力と富が流動化することを望むようになる。
そうした層が戦争に賛成するようになる。
いや、賛成するとはいわないまでも、無意識的に黙認するようになる。
ナチス党のヘルマン・ゲーリングの以下の言葉を
思い出す必要がある。


もちろん、普通の人間は戦争を望まない。
(中略)しかし最終的には、政策を決めるのは国の指導者であって、
民主主義であれファシスト独裁であれ議会であれ共産主義独裁であれ、
国民を戦争に参加させるのは、つねに簡単なことだ。(中略)
とても単純だ。国民には攻撃されつつあると言い、平和主義者を
愛国心に欠けていると非難し、国を危険にさらしていると
主張する以外には、何もする必要がない。
この方法はどんな国でも有効だ。