数字に表れない価値

新聞紙上などでファイナンシャルプランナーなどが
持ち家か賃貸か、という話をするのを読むと、
いつもある一定の違和感を抱く。
彼らは、当たり前なのだけど、お金の面だけを言うから、
住宅の本当の機能とか、精神面のことに触れない。
お金のことだけを言うと、確かに今の時代はすぐに価値が下落し、
不良資産化するから賃貸がいいとなる。
でも、家を買うというのはそれだけではない。
この地に足をしっかりつけて生きていくという覚悟ができるし、
子どもたちにとってはいつもデンと構えている実家になる。
私も実家を出てから、実家のありがたさを本当に感じる。
それはそこにいる両親の頼りがいでもあるし、
物理的にそこに存在する安定感でもある。
つまり、「何かあっても最終的には実家に帰ることもできる」
という安心感だ。この安心感は大きなものがある。
実家の安心感は情緒の安定につながる。
これは単に金銭を計算しただけでは計れない価値なのだ。
ことに地方出身者は東京で賃貸暮らしをすることの
不安定さを感じる人は多くいると思う。
数字に表れない価値を認められる感性を持たないと、
数字に踊らされるばかりで、しっかりした生き方はできないだろう。