日本人は年を取るほど幸福感が薄れていく――。
最近、このことについてよく考える。
なぜなんだろう。
海外の国では年を取るほど幸福感が増していく。
宗教のせいだろうか。それだけではないような気がする。
まず日本人は若いことに価値を置く社会であるということ。
いわゆるロリコンなのだ。
欧米では10代の女の子が徒党を組んで歌ったり踊ったり、
メディアでもてはやされることは少ないという。
20代以上の子たちがメインだ。
なぜかわからないが、若いだけでもてはやされる。
もうひとつは、「楽しむ感覚」が薄いという気がする。
手品を見ても、「楽しもう」というより、「見破ってやろう」
という目で見る。そういう楽しみ方をするのが日本人だ。
ある大企業のビジネスマンがイギリスで経験したという話を思い出す。
現地の仕事仲間に打ち解けようとダーツバーで一緒に遊んだが、
仲良くなれなかった。そこでそのビジネスマンは、自分のダーツの腕前を恥じ、
ひとりでダーツバーに通い、ダーツがうまくなって
また同じ仕事仲間とダーツバーに行った。
今度は仕事仲間をみんな打ち負かした。
でも、それからみんな口をきいてくれなくなった。
「違うんだよ、みんなと楽しめればそれでいいんだよ」
と仕事仲間の一人は日本のビジネスマンを諭したという。
マジメすぎるんだよね。
楽しむという感覚が薄いから、年を取るとできないことが多くなり、
不幸せに感じるのではないかと思う。
もっと単に人生を楽しむというスタンスが必要だね。
「自分は有用で、価値ある人間。そうでないと生きている意味がない」
と思う人が多いのかもしれない。
社会の役に立つことは大切だけど、生きているだけでOKだと思うのだが。
もうすぐ敬老の日がやってくる。
メディアでは100歳を超す人が出てきて、
スーパーじいちゃん、スーパーばあちゃん振りを披露する日になっている
のだが、そうではなく、「生きてるだけでいいんだよ」といってあげる
日にしたほうがいいんじゃないかなあ。