広葉樹でも防げない

最近、土砂災害の話題が増えている。
日本での土砂災害というと、梅雨と台風の時期というふうに
昔は決まっていたのだが、いまは夏の間ずっと起こる。
私が森林インストラクターの勉強をして学んだところでは、
森は降った雨をゆっくり流す、
水量平準化の機能をもっていると習った。
そのためには針葉樹より、広葉樹のほうがいいのだという。
針葉樹は広葉樹より根を張るのが浅い。
広葉樹はより深く地中に根を張るので、
土を固める効果が高いというのだ。
しかし、最近の研究では針葉樹も広葉樹もそれほどの違いが
ないことがわかったということを、最近聞いた。
針葉樹も広葉樹もそれほど深くまで根を張らない。
最近は深層崩壊する土砂災害もある。
深層崩壊とは地中のかなり深い層からごっそり崩壊してしまい、
土砂となってながれる土砂災害だ。
森は降った雨をゆっくり流してくれる機能を確かに有しているが、
今回の広島の土砂災害は、その能力をはるかに超える量の雨が
降ったことで起こった。
山に木を植えることはできるが、土壌を替えることはできない。
近年のように一度に大量に雨が降るようになった状況下では、
すべりやすい、くずれやすい土壌の山の近くには、
住居を建てないという選択肢しかないだろう。
「災害は常に想定を超えてくる」
東日本大震災の教訓を常に忘れずにいねばなるまい。