まちおこしは自分自身がたのしむこと

広島に和田芳治さんという、里山生活の達人がいる。
何度かお会いさせていただいたが、30歳以上も歳の差があるのに、
これほど気が合うのはなぜなのだろう。
彼は過疎という言葉ができたころから、過疎と闘ってきた人で、
40年以上もまちおこしに奮闘した人である。
まちおこし、むらおこしで悩んでいる話を聞くが、いまそれをやっている人たちが
悩んでいることは、一通り和田さんがすでに経験している。
私は娘の小学校の「おやじ会」に参加したり、町内会に参加しようと
していて、地域活動をどんどんやっていきたいと思っているが、
彼の話から参考になるようなことがたくさん聞ける。
ネーミングが大事であること、独自性が大事であること。
それに、まちこしをやっている人たち自身がたのしむこと。
この「たのしむこと」というのが大事で、たのしくないと物事は続かない。
「町内会の草刈りのあとはビール」なんて話がある。
昔は「それって飲む口実づくりでしょ」と思っていたが、
いまは「たのしくないと続かないから、それで当然」と思うようになった。
子どものためとか、地域のためとか、お年寄りのためという、
お題目も大事だけど、主催者自身がたのしむことだ。
犠牲の精神は続かない。
自分自身のたのしみのために、これからも地域活動をしていきたい。