だまされたい人たち

オレオレ詐欺、改め「母さん助けて詐欺」というのがある。
被害額が何億円にもなる。
改めて、高齢者ってお金持ってるんだなあと思う。
それはさておき、この類の詐欺は「自分は大丈夫」と思っている
人ほどひっかかるのだとか。
多くのひっかかった人が、「自分だけは大丈夫だと思っていた」
といっていることからみてもわかる。
電話がかかって助けを求められた瞬間にパニックになってしまって、
正常な思考能力が働かなくなってしまうのだろう。
でも、ふとこうも思う。
だまされた側はどこかでだまされたかったのかもなと。
電話をかけてくれたことがうれしかったのだよね、きっと。
頼られたかったのかもね。
詐欺師でもいいから誰かに頼られたかったということはないだろうか。
誰かと話したい、誰かに頼られたい、誰かの役に立ちたい、
高齢者のそういう意識が詐欺を助長している。
詐欺の取り締まりは警察の仕事とみんな思っているが、
高齢者のこういう意識を満たす社会の仕組みがないと、
こんな詐欺はいつまでもなくならないだろう。
昔はおばあちゃんの知恵袋とかいって、高齢者は役に立つ存在だった。
いまはみんなネットの「知恵袋」を使う。
定年になってやっとのんびり静かに暮らせると思っても、
それもすぐに飽きる。
飽きた後、やっぱり何かの役に立ちたいと考える。
それはどんなに年をとっても同じだと思う。
「母さん助けて詐欺」は、実は問題は根深いのだ。