幽霊について矛盾する想い

「幽霊はいると思う」ということを真顔でいって許されるのは、
20代前半ぐらいまでで、もっと年をとっていうと、
「O・MA・E・DA・I・JYO・U・BU・KA」と言われる。
私の場合、幽霊は、希望的にはいてほしいと思っている。
でも、実際のところ、科学的には気のせいと思っている。
理由はこうだ。
希望的なところでは、死んでしまったらそれまでというのでは
あまりに切ないからで、自分が死んでも幽霊になって
世の中を見守っていたいなあと思うから。
まあ、成仏していない時点で、そんな気楽な商売ではないと思うが。
それに、幽霊を見たくもないし、会いたくもないし、話もしたくない。
なぜって、怖いから。
霊的なものを感じられる素質は、私には今のところあまり備わっていない
ので、その心配はないようだけれども。
これは先祖崇拝をずっと行ってきた日本人のDNAのせいだと思う。
一方で、科学的には幽霊ってありえない。
DNAの(ここでいるDNAは科学的なもの)研究が進んで、
生物はもとはひとつの生命体から分化していったものだということが
わかっている。そうなると、人間だけ霊が存在することはありえず、
サルだって、犬、ねこだって霊がいることになる。
それどころか、ノミ、ダニの一匹に至るまで霊がいることになる。
これらの処遇をいちいち考えてたら、神や仏は忙しくてしょうがない。
「成仏してるに違いない」とか、「現世に思いを残していると霊になる」
というが、じゃあ、車にひかれて
ぺしゃんこになったヒキガエルとかどうなんだ。
不遇な死に方をした生物なんてやまほどいる。
それが全部霊になったら、この世は霊でパンパンになる。
結局、霊的なものというのは、人間の脳内で作り出した現象なのでは
ないかという気がする。これについては「あの世」もそうだと思う。
なぜそういう現象を作り出してしまうのかについては、
未知の感覚(シックスセンス)みたいなものがあって、
脳内に映像を映し出しているのではないか。
人間の視覚なんて、かなりいい加減なものだからね。
だから、霊ってあってほしいけど、たぶん実態としてはないんだよね。
でも、上に書いたような、脳内の現象としての霊みたいなものは
あるような気がする。
そういうのがわかるようになる時代が来るのかな。
せめて、それを知ってから死にたいなあ。