お笑いもメジャーも場数

私たちは物事を諦めるときに、だいたい素質の面を理由にする。
生まれ持ったものが足りなかったのだという論法だ。
違う分野の人が、いみじくも同じようなことを言っていた。
あるお笑いタレントは、場数を踏むことで芸が磨かれていったという。
その場の雰囲気を読んだうえで、適切なコメントをする。
それが笑いになることもあれば、雰囲気が悪くなるのを防ぎ、
場をなごやかにするのに役立つこともある。
言い換えれば、「慣れ」だというのだ。
一方、日本人のメジャーリーガーも必要なのは、
実力というより、慣れだといったのは、日本とメジャーで
監督を務めた人物だ。
アメリカのプレースタイルになじめば、多くの日本人選手は
メジャーで活躍できるはずだというのだ。
順応性の高さも素質といえばそれまでだが、生まれ持ったもので
決まるのではなく、慣れることでそこそこやっていけるのだ
と言っている。
ライターなんかまさにそう。
文才とかいうけど、ライターに文才なんかいらない。
書くのが楽しいと思えるかどうかだけ。
場数をこなせば、そこそこやっていける。
多くの仕事もそうじゃないのかな。
おもしろくて、どんどん場数を踏めるのであれば、
だいたいの仕事はできるのだと思う。