経験するからわかること

私が最近、楽しみにしている番組に
BS朝日の「ラグビーウィークリー」という番組がある。
人物を取り上げるワンコーナーがあって、
登場したのが関東学院大学ラグビー部の春口監督。
関東学院は昨期のリーグ戦で全敗、2部に降格してしまった。
その理由をこう述べている。
「こんなことは言わなくてもわかるだろうと、
言わないでいたことがたくさんあった。
自分は経験したからわかる。
でも彼らは初めて2年生になり、初めて3年生になり、
初めて4年生になる。土台が違ってきている。
そのことに気付かなかった。情けない。
負けてそのことに初めて気づいた」
正直言って、10年連続大学選手権決勝に進出し、
6度も大学日本一に輝いた監督が、ここまで率直に
述べていることに驚いた。
名将と言われ、持ち上げられたら、プライドにまみれて、
正直にものが言えなくなる。
60歳を超えたおっちゃんが、
こんなことが言えるのはすごいと思う。
「自分は経験したからわかる。
でも彼らは初めて2年生になり、初めて3年生になり、
初めて4年生になる」
これって、教育の真髄だと思う。
大人から見たら、子どもってとっても遠回りしているように
見えるんだよね。また、無意味なことやっとるわって。
でも、それが無意味かどうかは、実際にやってきた大人だから
わかるのであって、経験してない人がわかるのは無理。
だから、大人は無意味とわかっていても子どもにやらせて
みないといけない。
だから何でもやってみることが大事なのだ。
春口監督は学生たちに申し訳ないと言っていた。
こんなことを率直に言える指導者が教えるなら
絶対にチームは強くなる。
来季の関東学院ラグビーは注目だ。