今年の3・11

東京メトロ(地下鉄)に乗っていて、車内アナウンスが流れた。
――本日、午後2時46分に全車両がいったん停止する。
これは平成23年3月11日に起きた、東日本大震災
教訓とするためのものです。――
という内容だった。
震災から丸2年となるこの日に向けて、メディアは特集を組んだ。
そのどれも見る気がしなかった。
見てしまうとひどく落ち込んだ気持ちになるからだ。


「復興が進んでいない」と聞くと、「復興」ってなんだろうと思う。
再び興すということだから、復帰ではない。
元通りにすることではなく、再び興すということ。
興すとは盛んにすることをいう。
再び盛んにするのが復興だ。
確かに道路や線路は元通りになりつつある。
でも、生活者の居住環境は元通りになるにはほど遠い。
生活環境が整い、離れていた人が戻り、そこで人々の生活が
営まれることが復興だ。
まだまだ道は遠い。
でも、築きあげてきたものを2年でまた作り直すのは無理というもの。
被災者でない人は、復興を急ぐ必要がある。
でも、被災者は急ぐ必要はない。ゆっくりでいい。
痛めた羽を休めて、飛び立てる気になったら飛び立てばいい。
周りの人に助けを求めることだ。まだ2年なのだから。