失敗してもいい

雑誌やサイトの記事を見ていると、
結婚とか格差の話題が多いですよね。
私もそういうテーマの取材をよく依頼されます。
格差が出てきて、結婚できない人が増えたと。
そう、しないんじゃなくてできないんだというのですね。
うちに来たあるインターン生は、会社を辞めるっていう感覚が
わからない、途中で投げ出した感じになる
と言っていたのを聞いて驚いた。
天職っていっても、会社が変わるだけの人もいて、
それまで培ってきたスキルを活用する人のほうが大半だ。
他の球団に移籍するプロ野球選手みたいなもので、
やることが変わるわけじゃない。
転職することは、失敗と思っているんじゃないかな。
今の若い人の気質として、失敗を過度に恐れるというのを
とても感じるのですよね。
これは結婚に対しても同じじゃないか。
昔は相手もよく知らないのに平気で結婚してた。
選択肢がなかったからだし、そういう人がそもそも多かったから、
「そういうもんかな」と思っていたのでしょう。
そういう選択をした場合、失敗しても、ある意味、人のせいにできた。
でも、いまなんでも自由にやんなさいってなったから、
全部、自分の責任になってきたんだよね。
だから失敗を恐れるようになった。
でもね、人間って失敗するものでしょ。
会社選びだって、結婚だってそう。
それってけっこう取り返しがきくものだしね。
自由になったのに、失敗を恐れて、自由にできなくなったって
なんか皮肉。
人間って、ある程度、しばりがあったほうがいいんだろうな。
家業をつがなきゃいけない、地元で就職しなきゃいけない、
親の面倒を見なきゃいけない、とにかく仕事しなきゃいけない、とかね。
あまり軽はずみなことは言えないのだけど、
若者に対して、周りの大人は失敗してもいいから、やってみたらって
いってあげるのがいいかもしれないね。
「おれが責任取るよ」っていえる器の大きい大人がいなくなったのかも。
これは自戒を込めて言うのだが。