『木を植えた人』

この本は絵本として有名で、他にもさまざまな版形の本が出ている。
フランスの田舎で、妻と子どもを失った孤独な男が、
荒野に木を植え、再生していく様子を語った本である。
著者はこの「木を植えた人」を第三者の視点で書いている。
「木を植えた人」の発言らしい発言は、ほとんどない。
気のきいた名言なんか皆無だ。
だが、荒れた土地をひとりで何十年もかけて緑の大地にして
いくことの凄みは、十分に伝わってくる。
大地を木が覆うようになると、水源が復活し、農作物が育つようになり、
人が戻って、村は活気を取り戻すようになった。
無私の心で信念を貫きとおすこで、途方もないことができる
ことをこの本は示唆している。