次女激怒

清里高原で開かれた「ポール・ラッシュ祭」に行ったときのこと、
これまで長女が乳アレルギーで食べれなかったソフトクリームを
清泉寮で食べようと考えた。
この清泉寮のソフトクリームは、寮(といっても宿泊施設)を
訪れた人の9割ぐらいが食べるのではないかというほどの
有名なものだ。ガイドブックには必ず載っている。
2歳の次女も便乗して食べた。
しゃべりが達者なので、
「おいしー、なかなかだねー」
などといいながら食べていた。
すると、相席で目の前に座った60代と思しき女性が
「あら、おねえちゃん、よかったわねー、おいちいわねー」
と話しかけてきた。次女も
「うん、おいしー」
と返していた。
女性はそうとな子ども好きのようで、
「おしゃべり、おじょうずねー」とか、
「あらあら」とか、
「おいちいねー、よかったねー、かわいいねー」などと
次女に話しかける。
次女も「うん、おいしー」としばらく返していたが、
最終的に、おばちゃんに向かって
「うるしゃーい!!」
と激怒した。
私はあわてて「すみません、だめでしょ、そんなこといっちゃあ」
と謝った。おばちゃんは一瞬目を白黒させて口ごもったあと、
「あら、おねえちゃんのほうがうるさいわねー」
と言ったが、その後、しばらく口を開かなくなった。
でも、最終的に去り際に
「じゃあね、ばいばーい」とにこやかに手を振ってくれた。
次女の「うるしゃーい」は本当に怒ったとき、たまに出る。
「うるさい!」ではなく、「うるしゃーい」なのだ。
これが本当に激怒した証。
面白かったので、そのあとで何度も言わせようと試みたのだが、
なかなか言ってくれない。
言わせるには、本当に激怒させるしかない。