キムチと自転車

大人になったらできるものと、大人になってもできないもの
という事柄があるということを言葉で子どもに説明している。
食卓にキムチを置いてると、子どもが食べたがる。
そのとき私は「キムチは辛いから、大人になってから食べな」
ということにしている。
別の日、コマなし自転車を乗りこなす同級生(Nくん)を見た娘が言う。
「大人になったら、自転車乗れるようになる?」
それは話が違う。
大人になることで自然と平気になるものがある。
キムチの辛さとか、コーヒーの苦さとかだ。
でも、たとえ大人になろうが、
練習しなければできるようにならないものがある。
自転車や文字を書くことなどだ。
「キムチは大人になったら普通は自然と食べれるようになる。
練習しなくてもね。でも、自転車は練習しないと乗れるようにならないよ。
大人でもNくんみたいに自転車に乗れない人はいっぱいる。
お箸の持ち方も自転車も練習しなければできるようにはならないんだ」
娘は大人が子どもより自転車の運転が下手な人もいると聞いて
びっくりした様子だった。
「最初は誰でもできないんだ。だから練習するんだ。
練習したら、だいたいのことはできるようになるんだ」
と繰り返し言って聞かせている。
本当は練習、練習と言ってやらせるのではなく、
自分で楽しさを見つけて、やる気になってくれればと思うのだが。