今こそ政治の出番

高収入のお笑い芸人の母親が生活保護を受けていた
というので、けっこうな騒ぎになっている。
この騒ぎの根底には、210万人の受給者がおり、年間3兆円もの
公金が投入されているという問題がある。
今回の問題については、
お笑い芸人個人の問題と、制度の問題を別にして論じる必要がある。
まずお笑い芸人個人の問題については、
母親が息子から多額の援助をしてもらったうえで、
なおかつ生活保護を受給していると詐欺行為になる。
息子が母親にどれくらいの援助をしていたかが問題なわけだ。
それとは別に制度の問題。
こっちのほうはうんと根が深い。
昔は、それがよい悪いは別の問題として、「生活保護は恥」という
認識があったが、今は「もらえるならもらっておかなければ損」
と考える人が増えているということである。
それに、国民年金との給付額の差額の問題、
偽装離婚をどうやって見抜くか、親子の仲の善し悪しをどう判断するか
といった、簡単には解決しない問題が横たわっている。
生活保護を「保障」と考えるのではなく、「権利」と考える人が
出てきている今、昔ながらの良識にゆだねるやり方は見直す必要がある。
これは大変悲しく、さびしいことだが、しかたがない。
本当に必要な人にお金が届く制度にするのは大変に難しい。
海外を見習って、現金給付ではなく、食料品券や入浴券のようなものを
導入する必要があるかもしれない。
こういう問題こそ、政治家の知恵の絞りどころだと思う。