「雨あがる」

黒澤明脚本ということで、ちょっとは話題になったようだ。
寺尾聰が剣の達人でありながら、浪人に甘んじる侍を演じた。
その侍・三沢伊兵衛は、各地の道場を訪ね、道場破りというか、
「賭け試合」をして生計を立てていた。
偶然通りかかった町のはずれで、侍同士のけんかの仲裁をする。
そのときの刀さばきが見染められ、城の剣術指南役としての
職が得られることになったのだが……。
三沢はいい人すぎて宮仕えは向いていなかった。
でも、貧しい人を思いやる気持ちは誰よりもあった。
自分のことより、他人のためを思って行動する。
そこで、映画はいう。
「大切なことは、何をしたかではなく、どんな思いでしたか」
これがこの映画のテーマであったことは間違いないんだけども、
この映画を2012年の正月映画でテレビ放映した意図は、
他者を思いやる、助け合う、日本人の心を今一度、思い起こさせたい
との思いからではないかなという気がする。
平和な江戸の時代にあって、三沢伊兵衛はその剣術の腕を
他者を傷つけるためでなく、自分を守る、他者を守るために
活用したところが泣かせるポイントでした。
こういう時代劇が好きになってきてるんだよなあ。
おいらもヤキがまわったなあ。