『信じて根を張れ!』

正式タイトルは、
『信じて根を張れ! 楕円のボールは信じるヤツの前に落ちてくる』
帝京大学ラグビー部の岩出雅之監督の本です。
この本について、いろいろと書きたいことはあるのだけど、
一番印象に残ったのは選手が常に元気な状態を維持することを主眼とした
指導法を行なっていることです。
身体を激しくぶつけあう練習を、以前は週に2,3回やっていた
のを週に1回にしたそうです。
夜間の個人練習も9時以降はやらせないことにしたそうです。
専門の管理栄養士のもと血液データをとって、
計画的な体作りもやっているという。
睡眠時間をちゃんと確保して、常に元気な状態で練習でも
試合にものぞむということ。
精神的にもゴールデンウィークは5日間の休みを取らせるなど
してリフレッシュさせている。
ラグビーという体を激しくぶつけあうハードなスポーツだから、
心身が元気であることがケガや故障を防ぐことにもなるのでしょう。
ジャパンラグビーがW杯で結果が出せなかったとき
海外から聞こえてきたのは、「日本は練習しすぎ」というものでした。
愚直にヘトヘトになるまで練習するというのです。
確かに日本には努力万能主義みたいなものがありますよね。
でも、心身ともにヘトヘトの状態では技術の習得もままならない
だろうし、だいたい楽しくないでしょう。
練習でもギリギリたのしいと思える程度でやめておくべきじゃないかな。
もちろん、帝京の選手たちはたくさん練習していると思いますが、
量的にはたぶん伝統校のほうが多いのでしょう。
広い意味での競技力向上が「練習の質×練習の量」で決まるのなら、
質を上げていけば、量が減ってもっても同じ結果が得られると思います。
今季の大学ラグビー対抗戦グループでは、帝京大はここまで5連勝中。
大きなけが人、故障者も出ていないようです。
結果が出せているのは、こんな理由があったんだなあとわかる一冊です。