作品も常に「自分の問題」

疲れた心と体に、はい、1本。
名言サプリ 其の122


教えてやろうなんて高飛車につくったらお客は逃げる。
自分も苦しいのだということを(映画で)そのまま見せれば、
お客はすっと理解する。

黒澤明


これは私がライターをするうえで座右の銘にしている言葉です。
教えてやろうなんて、おこがましい話です。
何さまなんだって話です。
「自分も苦しいのだ」という思いを作品に反映させること。
これはとっても深いですよ。
間違っても自己満足目指してつくれってことではない。
自分が苦しんでいることに対して、考え抜いた上で
作品中に見解として提示する。だから、作品は、
「苦しかったけど、いまやっととりあえずの結論として
こういうのが出ました」ってものでしかない。
黒澤明は作品に対する謙虚さを常に持っている人だったのだろう。
苦しんだ様子が見えるから、お客さんは共感するのだと思います。
つくるときには、そのテーマをいつも自分の問題として
捉えること。この二つを肝に銘じてこれからもつくります。