冬のお酒はある意味、危険

知り合いの編集者がおもむろに話し出す。
「最近、酒を断っているんです」
どうしたんですかと聞く前に、もう話している。
酒の席で失敗してしまい、もう懲りたというのである。
どうも上司の家で失礼があったらしい。
酒豪のウワサを聞いていたわけではなかったが、
一度、ファミレスでビールをジョッキで5,6杯飲んでいるのを
見た時は、「相当好きなんだな」と思っていて、
この人ならそういうこともあるかもしれない、と思った。
で、彼が言うには、
「酔っ払いがみっともないというのに気づいたんです」
とおっしゃる。おもわず言った。
「うーん、気づくのが遅い(笑)」
「ですよねー(笑)」
というのである。
私など、いつも酔っ払っている人を正気で見ているから、
どんなに危なっかしいかが客観的にわかる。
彼も自分が酒で失敗するまでは、酔っ払っている人のことなど
目に入ってこなかったのでしょうね。
自分は覚えていないため、他人を見て
「おれもこんなふうだったのかな」と思ったのではないかな。
そこでみっともないことに気づいたわけだ。
黒澤明がこう言ってました。
「酔っ払いの役は、酒が飲めない人のほうがうまい。
(人が酔っているのを)よく見ているんだろうね」と。


ともあれ、酒の席での武勇伝は多くが笑えるものだが、
今回はちょっと深刻だったらしく、あまり笑えなかった。
記憶がなくまるまで飲むと、家に帰るまでかなりの危険がともなう。
今のように寒い時期はなおさらだし、酔っ払って線路上で寝てしまった
人の話を聞いたこともある。命にかかわる。
前後不覚になるまで飲むべきではないし、そうなってしまった人を
まわりの人はどんなに迷惑でも安全に家に帰れるようにして
あげなければいけません。
お酒は気持ちよくなる程度に飲みたいものです。