苦労話を本にする意味

いま一般人の苦労話を本にまとめようと原稿を書いている。
単に苦労話ではなく、人が再生していく物語だ。
この時代、この時期に合っていると思われるので、
出版社も出版を急いでいる。
そういう話を見聞きすると思うのが、
「自分の苦労など取るにたらない些細なもの」ということ。
こんなに苦労している人に比べたら、自分の苦労など誤差の範囲だ。
苦労という言葉で同列に語ることさえはばかられる。
人の苦労と比べるなんてのは、決して品のいいことではない。
でも、人は相対的にしか幸せを感じられないのも事実だし、
再起していく過程に、人生における大事なものが
語られていることもまた確かなのだ。
苦労話を本にして残すことの意味はそこにある。
「人ってここまでできるんだ。だったら自分でもできるかも」
と思ってもらえたなら、一冊千数百円の価値はあるのではないか
そう信じながら今日もキーボードをたたいている。