責務

京都に行ったときに話を聞くと、
京都では震災のことはほとんど話題にのぼらないのだとか。
私が夕食をとったそば屋では、敦賀原発がダメージを受けて琵琶湖の水が
汚染されたら、近畿1600万人の水がなくなる、なんてことを
お店の方が雑談してました。
でも翌日またその話をすると、東北に知り合いがいたかどうか
ぐらしか話題にならないというのです。
これを東京の人に話すと、
「確かに私らも阪神淡路大震災のときはそうだった」という。
それに、東京の人にしたって東北の津波被害のことより、
もはや原発のほうに関心が向いている。
私が仕事をさせていただいた、原発関連の出版物でも
第一章が「原発問題」で、第二章が「津波の恐怖」です。
東京の人がつくるからこうなる。
福島の人がつくってもこうなるでしょうが、
宮城、岩手だったら逆になっているでしょう。
とても当たり前の反応です。
そして、時間が経つほど忘れていきます。
それも当り前の反応です。
でも今回はそうなってはいけないような気がする。
長い目で見ていくことが、メディアの端くれにいる者の責務と思う。