原発問題に関してどの程度の危機感をもつべきなのか迷う。
そんななか、28日発売の週刊ポストでは、放射能や放射性物質、
放射線について、わかりやすく解説した記事を掲載している。
論調は、「いたずらに恐怖心を煽ってはいけない」というもの。
詳しくは読んでもらうしかないが、綿密に下調べをして書かれて
いることがよくわかる、きわめて秀逸な記事だった。
記事の内容はおおむね納得できるもので、私が近年読んだなかでは
最もよい記事だと思った。早く言えば、感動のレベルだった。
「大変なことになった」というより、「大丈夫、大丈夫」といっている人の
ほうがのんきで、ばかっぽく見えるから、なかなかそういうことは
言い出しにくいのだが、この記事には敬服する。
そういうきちんとした判断をした編集長、編集者、記者を称賛したい。
すべての電磁波は、量の多少によって薬にもなれば毒にもなると
いう前提を踏まえて、どの量から人体に影響を及ぼすのかを
明らかにしている。
週刊誌はゴシップ記事ばかりだと思っている人がいる。
もちろん、興味本位だけの記事もあるが、こういう硬派で
役に立つ情報をきちんと書いている記事もあることを知ってもらいたい。
ものが売れなくなった成熟経済下の日本では、
「不安をあおるマーケティング」が日常的に使われている。
多くの人は儲かる話よりも実害を受ける情報のほうに関心があるからだ。
そのため、記事も恐怖をあおるものになりがちだ。
ところが、ポストの記事はいたずらに恐怖をあおるべきではないとして
他の媒体の情報に扇動される危険性を示唆している。
これからどうなるのか、私は専門家でないから出てきた情報で
判断するしかないが、少なくとも今の時点で言えるのは、
私のまわりでも「家族を田舎に疎開させている」という人がけっこういて、
まだ災害は終わっておらず、非常事態の緊張感がある。
ただし、仕事を放り投げて東京を脱出しなければならないほどの
状況ではまったくないことも確かだということ。
今後の推移をしっかり見守り、
冷静な行動をとろうという気持ちを新たにした。