リミッターをはずす方法

日本は一人当たりGDPが世界で29位なんだそうな。
1980年代までは一桁の上位だったのに、ここ二十数年で
生産効率が著しく後退している。
それを阻害しているのが、日本の長時間労働だ。
特にホワイトカラーの生産効率が低い。
生産現場ブルーカラーは、一日に何個つくらなきゃいけない
というものがあるが、事務処理をするホワイトカラーは一日のノルマが
ないから、ダラダラと仕事をしてしまいがち。
しかも、「上司より早く帰れない」という変な上下意識があって
ズルズルと残業している。
いまだにいざとなれば土日を使おうという仕事のしかたをする人も多い。
私が取材してきた企業の社長さんや経営コンサルタントなど仕事で
成功を収めた人たちは、ほぼ全員がそういう仕事のしかたを否定する。
そういうのに影響されて、私も土日は絶対に仕事をしない
という思いで平日の仕事に取り組んでいる。
「いざとなれば土日」という意識でやっていると、
平日の仕事量、効率がアップしないからだ。
人間は無意識に手加減するもの。
ラソン選手も、50キロ走なら35キロ地点は苦しくないのに、
ラソンだと35キロ地点が一番苦しいといっている。
50キロ走だと42キロ地点が一番苦しいらしい。
つまり、人間は自分で限界を設定してしまうものなのだ。
それはたぶん生物として命を守る本能的なもので、
普段は出せない力が出る「火事場のくそ力」のように、
普段から全力を出していると体が壊れるから、自然とリミッターが
働くようになっているのである。
この自然と働くリミッターをはずすには、「ちょっと無理かも」
という程度の締め切りを設定するのだ。
全く無理なのは論外で、がんばったらできる
そのちょっと上のレベルにする。
これを乗り越えられたら、ポテンシャルがアップする。
できることだけやっていたら成長しない。チャレンジしないとね。
上司が「ちょっと無理な」スケジュール設定をしてくれればいいけど、
してくれない優しい上司も多いから、自分で設定すればいい。
そのために、「ちょっと無理な」スケジュールの飲み会を
入れたりすればいいのだ。
「家でサッカー見たいから」というので、その日がんばって仕事を
早く終わらせることができた人は多いんじゃないかな。
いっぱい遊んでいる人が仕事もできるのはそのせいだ。
本来できることをやらずに、「仕事が忙しい」といっている人は多い。
これからも土日に仕事は断固としてやらない姿勢で仕事しよう。