電子書籍は普及しないような気もしてきた

電子書籍は普及する、そしてもっと本はおもしろくなると
このブログでさんざん言ってきたのだけど、ここにきて
電子書籍がまともな市場を形成するにはかなりの時間がかかる、
あるいは日本では普及しないかもしれないような気がしてきている。
各社が思い思いの戦略で参入しているが、
ソニーパナソニックが過去に失敗した同じ轍を踏んでいる。
確かに端末は出揃いつつある。
けれども、コンテンツが揃わない。
過去の失敗はコンテンツが揃わないことによるものだった。
端末を買っても2万や3万の品揃えでは、読者の感覚では
「欲しい本が電子書籍にほとんどない」ということになるはずだ。
これでは価格が2万も3万もする端末を買おうという気になれない。
ただし、過去の失敗と違うのは端末が電子書籍専用ではないこと。
ユーザーは「いずれ電子書籍を買って読みたいけど、いまのところ
欲しい本は売ってなさそうだから、ネットとかゲームで使おう」
となって端末を買うのだろう。
端末が行き渡れば、中小の出版社もコンテンツを出していける。
アメリカで電子書籍端末が爆発的にヒットしたのは、
9割の新刊が電子書籍で読めるから。
そして、電子書籍を売る「プラットフォーム」も、
アップル系とアマゾン系に加え、あと2、3社しかない。
日本はプラットフォームもフォーマットも乱立している。
やがては勝ち組が残って2,3社に収斂していくのだろうが、
それには長い時間がかかりそうだ。
そうやっているうちにみんな「やっぱ本は紙」とならないか。
みんなの関心が高いうちに一気呵成に攻勢すべきなのだけど、
各社の事情がそれを許さない。
日本では本格的な普及はまだまだ先のことになりそうなのだけど、
どうなることやら。