思わぬところからの強烈な左フック

駅は人が多く集まるから、実にさまざまなことが起こる。
夜10時半ごろ電車に乗っていた。
いつものホーム乗り換えのため、同じホームの電車に乗り換えた。
もちろん、ドアは開いたまま。
そこに、疲労困憊の30代後半サラリーマン男性が、
ドアのそばに立ち、ホーム側に頭をたれている。
電車からちょうど頭1つぶんはみ出している。
大丈夫だろうかと一瞬思った。
あのままドアが閉まったら、ちょうど首のところに・・・。
発車のベルが鳴る。
人ごとながらドキドキする。
車内で気づいているのは私だけっぽい。
「ちょっとあなた、危ないですよ」
ひとこと言ってあげればよかった。
無情にも「ドアがしまりまーす」のアナウンス。


ズガガガーーーン


うわー、マリーアントワネットもびっくりのドアギロチン。
亀田兄弟の左フックをくったみたいに、首が曲がる。
30代後半サラリーマンの短髪をかすめ、ドアがしまる。


よかった、頭転がってない


私は安堵した。
それにしても車掌よ、なんのための安全確認なの。
あれがドアの真ん中で両方のドアから


ズガガガーーーン


ってなったらやばかったよ。
「それ言うなら注意してあげろよ」って言われたら
その通りなんだけど。