意思決定のスピードの遅い日本

テレビで中国人とインド人が日本についてアドバイスしていた。
「もっと自信を持ったほうがいい」
時代は変わったものだなあと思う。
そのインド人はITのソフトウェア開発かなんかの社長さんで、
いま鳥取で県知事とIT戦略の構想を話し合っているという。
なぜ鳥取か?
「人口が少なく、すぐにトップとつながれるから。
これが人口の多い県だと非常に時間がかかる。
日本は意思決定のスピードが遅いのです」


これを実感させられる出来事があった。
いろいろな職業の人に取材する機会があった。
大企業の人もいれば、フリーランスの人もいる。
取材し、できた原稿をチェックしてもらうのだが、
大企業の場合、その返答が返ってくるのに非常に時間がかかる。
おそらく上司のチェックや広報のチェックが入るからだろう。
これが日本の意思決定のスピードの遅さにつながることは想像できる。
外に出す情報に瑕疵がないかどうかに神経質になるのは、
今の時代、プラスを生み出すのが難しいので、マイナスを生む可能性を
過大にとらえてしまう傾向があるからだと思う。
大企業側からしてみれば必要なことなのだろうが、
現場の人たちは不満もあるのではないかと想像する
一方、大企業でも意思決定が早い場合もある。
環境分野など成長分野への投資の意思決定は非常に早い。
現場とトップまでの距離が短い。
だからすぐに「GO!」「STOP!」が出せるのだ。
めまぐるしく変化するグローバルな世の中で、
日本が世界と伍していくためには意思決定のスピードは必要。
日本的な中間管理職は不要といわれて久しいが、
日本の組織ピラミッドも今後、もっと平べったくなっていくのか。
今後の成り行きに注目したい。