『電子書籍の基本からカラクリまでわかる本』

電子書籍の基本からカラクリまでわかる本』は、
電子書籍のビジネス的な裏舞台がよく書かれており、
他の「電子書籍本」のように、一般読者を想定したというより、
業界人や、これから電子書籍市場に打って出ようとしている
他業種の人たちが読むと、とても参考になる本だと思う。
日本で電子書籍の品揃えがなかなか進まないのも
無理からぬ話だということがよくわかる。
聞いた話では、ある出版社が紙の本と電子書籍を同時に出したところ、
書店員からあからさまに不快感を示されたということもあったらしい。
私はこの本を読んで、
電子書籍になっても紙の本の7割程度の価格になるかもしれないと思った。
印刷流通のコストを省けるからといって、それほどの価格破壊が
起こらないような気がしてきた。
一方で、確信したのは、出版社がなくなることはないということや、
印刷・書店には別の新たな役割が生まれるであろうことなどだ。
そして、私のような一介の書き手にとってはチャンスだということも。
私自身、自分がつくった本が多くの人に読まれることが目的で、
もっと大きなことをいえば、電子書籍でも紙の本でも、他の人の意見を
読んで自分の意見をもつよすがとしたり、他人の体験を疑似体験したり
することで人々の生活が豊かになればいいと思っている。
何度もこのブログで書いているが、紙の本であろうと電子書籍であろうと、
その本質は「そこに何が書かれてあるか、それを読んだ人が何を得るか」
であり、そこさえ見誤らなければ、チャンスをつかめると思っている。