「ハンコック」

これもアメリカン・ヒーローの類の話。
人助けをするのだが、それ以上に器物損壊など多大な迷惑を
かけてしまうため、市民から嫌われているヒーローを
ウィル・スミスが演じる。
空を自由に飛び、強烈なパワーを有するヒーローだ。
人々から迷惑がられるヒーローという設定はいいし、
その後、協力者を得て「いい人」になろうとする過程も
なかなかおもしろい。
後半から様相が変わってきて、ハンコックと同程度の能力を
有する超人が現れて、思わぬ方向に展開する。
それはそれでいいのだが、ひとつ合点がいかないのは、
この超人がどこからやってきたのか、最後までよくわからないこと。
「ハルク」はウィルスだか細菌だかに感染してしまったわけだけど、
ハンコックはどこからやってきて、どうして存在するようになったのか
合理的理屈が見当たらない。
荒唐無稽であってもいいから、とりあえずの理由付けが欲しかった。
前半の流れのままヒューマンストーリーにする手もあっただろうが、
そんな予定調和で終わらないのがこの映画のよいところ。
ただ、もろ手を挙げてお勧めできる映画でないことは確かなところだ。