人生は思いのほか長い。
人生80年、90年時代になってきて、余暇に使える時間が
とても長くなっている。
仕事が生きがいになってくると、休日も仕事をやってしまったり、
仕事のことが頭から離れず、といっても何もやることもないので、
ただテレビを過ごす人は多いと思う。
仕事や子どもの世話などで忙しいのは最初の3,4年ぐらいのことで
子どもが10歳ぐらいになれば、子どもから相手にされなくなり、
自分の自由な時間が増えていくのだと思う。
(子どもは手がかからなくなると、金がかかるようになるのだけど)
いま60代の人もこれから20年、
ひょっとすると30年ぐらい生きる可能性が十分にある。
親や家族の介護もなく、孫の相手もしなくてよい人は
膨大な時間をどうにかして過ごさなくてはいけない。
何もやることがない人はたくさんいるのである。
この膨大な余暇をどうやって過ごすか、
私自身今から考えておいたほうがいいと思っている。
出版業界にいると、たまに自費出版の話も舞い込んでくるのだが、
たまにいくらお金をかけてもいいから、自分の好きなテーマで本を
出したい人がいるらしく、先日など日本の古代史をテーマにした
原稿が手元にやってきた。
私から見てもぎょっとするほどの分量で驚くが、
「この人のライフワークなのだなあ」と思うと、
「こういう研究対象を持てることは幸せだなあ」とも思う。
私は子どもが10歳になるころぐらいを見据えて、
ライフワークを絞り込んで行こうと思っている。
それが職業になるか、半分ボランティアになるか、
完全にボランティアなるかはわからないのだが、
人と社会とつながることを前提に、
おもしろいことをなんでもやっていきたいと思っている。