早期教育は必要か

早期教育なんていらない」という本を企画しようと思うくらい、
昨今の早期教育ブームに疑問を感じています。
脳科学の発達によって、赤ちゃんや幼児の脳の働きがわかってきた
せいもあっていっそう拍車がかかっているように思えます。
うちはこれといって早期教育をやっていません。
意識してやらせようと思っていることは、
早寝早起き、体を動かす、食事は必ず一緒にテーブルにつく、
絵本を身近に置いておく、片付けをさせる、友だちと交流する、
あいさつ、ありがとう、ごめんなさいを言えるようにする。
それぐらいのものです。特別なことはひとつもありません。
英語教室もありますが、必要と思えば中学生になったころから
自分でがんばればいいし、勉強方法も教えられるものがあります。
友だちをつくる目的ならいいけれど、英語を身につけさせる
目的なら英語教室には通わなくてよいと考えています。
早期教育を行なえば誰でも天才になれるかのような錯覚を抱かせる
報道や出版物には、疑問を抱きます。
こういうネタに飛びつく心理はよくわかるのです。
先行きが不透明な世の中ですからね、自分の子は長所を伸ばして
安定した生活ができるようにと望むのでしょう。
でも、トンビはタカを生まないのですよね。
小学校に入る前に漢字が書けたり、掛け算ができてもすぐに
周りの子もできるようになります。
小学生のころ頭が良くてもその後、普通になっていく子もいれば、
高校からグンと成績が伸びる子もいます。
体の発育だってそうだし、性格だって変わります。
私なんかあんまり社交的でない性格でしたが、
仕事を始めたら人づきあいがたのしくなりましたしね。
自信なさげで気弱な人でも仕事で成功を収めると
尊大な態度になる人もいます。
その後の人生でいくらでも変わるのです。
人や物事との出会いがきっかけとなって、学び成長していくのです。
自分の娘には、集中して物事に取り組む習慣をつけるとか、
失敗しても何度でも挑戦する心を育てるようなことを
したほうがいいのではないかと思っています。
娘はパジャマのボタンが自分でうまくはずせないとすぐに
「できない〜」と言って泣きますが、「できるよ」といって
できるまで待ちます。
そういうことのほうが大事であるような気がするのです。