「子は親を選んで生まれてくる」か?

「子は親を選んで生まれてくる」という説がある。
関連書籍もあり、妊婦にも賛同する人は多い。
私も子どもが生まれてくることをポジティブにとらえる意味では
そのように考えてまったく問題ないし、よいことだと思う。
でも、ある面では「じゃあこの子たちはどうなるの?」と
思わずにはいられない事件がここのところ多い。
子どもの虐待死である。
暴力もあれば、育児放棄といった虐待もある。
こんなことで亡くなった子たちも親を選んで生まれてきた
と言えるのかと、どうしても思ってしまう。
「そんな親を選んだお前が悪い」などという人はいないだろう。
やっぱり子どもの保護責任は親にあるのだ。


現代は生き方の自由度が格段に上がった。
どんな職業に就くか、どんな人と結婚するか、ほとんどの人が
自由に選択できる時代になった。
でも、生まれる場所と親はやっぱり選べない。
自由にならないことがあると認識すべきなのだ。
「自由」と「自己責任」はセットだが、
それはあくまで成人の話である。


おそらく、「子は親を選んで生まれてくる」は、
「子に愛情を感じられない親たち」に向けた啓蒙なのだと思う。
(多少、スピリチュアルの影響もあると思う)
それを勘違いして「私を選んだお前が悪い」となっては本末転倒である。
「子は親を選べないのだ。だからこそ親は責任をもって保護するのだ」
という気概が親になければならない。


それともうひとつ。
周囲の人が気づいてやれなかったことが頭から離れない。
ここでもコミュ二ティやつながりの重要性を思った。