男性に訊きます。
「女性用下着のお店に恋人や奥さんといっしょに入れますか?」
テレビの若手男性タレントはいう。
「はずかしくて絶対無理です」
私はいっしょに入ります。
一緒に選んだり、手にとってしげしげと観察することはありませんが、
「こんなのはどうか?」と訊かれれば答えるし(訊かれたことはないが)、
別にはずかしいとも思わない。
ただ、ひとりで入ろうとも思わない。
恋人や奥さんがいるときしかこういうところには入れないのだから、
入ってみようと思う。何事も経験である。
店に入り、どんなものがどれぐらいの値段で売られているのか、
店の入口にはどのようなものが置かれていて、
奥にはどのようなものが置かれているかを見るだけでもおもしろい。
いつ死ぬかわからないのだから行けるところに生きているうちに行き、
その状況をおもしろがってみるほうが人生はたのしめる。
そもそも日本人はおもしろがるのが苦手なんじゃないかと思う。
たのしむことより、他人の目を気にしたり、儲かるかどうか、
役に立つかどうかといった損得勘定のほうが
行動を決める優先順位は高いような気がする。
たのしいかどうかは隅においやられている。
ある調査によると、定年後も仕事を続ける理由として最も多かったのは
日本では「収入がほしいから」だったが、
アメリカでは「おもしろいから」だったという。
また、さまざまなグループ活動に参加する理由として最も多かったのは
日本では「健康にいいから」だったが、
アメリカでは「おもしろいから」だったという。
日本ではまじめな人が多いからか、収入や健康につながらないことは
価値のないものとする意識があるような気がする。
何も意味はなくても、何の役に立たなくても、
やらないよりはやったほうがたのしいことがある。
もっと肩の力を抜いてたのしんでいい。