25%減のために森を切れ

民主党鳩山代表が国際社会に向けて、
二酸化炭素排出量を2020年には
1990年時の25%減を目指すという。
1997年に行われた京都会議では、日本は2008年からの5年間で
1990年から6%の削減を約束している。森林吸収分と産業での削減、
それに海外での取引分をすべて足した上での数字だ。
この数字はすでに難しいとされている。
それなのに25%というのは次元の違う途方もない数字である。
もともと日本はドイツなどと並んで世界に冠たる省エネルギー国家だ。
昔のオイルショックの経験や住宅事情、国土が狭いこともあって、
家電や車をはじめとしてあらゆるものがコンパクトに作られている。
アメリカのように歩いて5分でいけるところに
ピックアップトラックで出かけたりしない。
そういう日本が25%減を達成するのは並大抵のことではない。
これが「ポスト京都」で義務となると、海外で相当排出権を買わなければ
ならなくなる。第2のODAになりはしないか。
国内の森林を整備する気が民主党政権にはあるのだろうか。
日本には、間伐されないで土壌流失の危機にある森林が
40万ヘクタールあるといわれている。
これらを間伐して整備し、二酸化炭素吸収率の高い
森林に更新していかなければならない。
自民党の元首相が「森の伐採は環境破壊だ!」と選挙カーの上から
叫んでいたが、それは海外の話であって、日本の森は伐採しなければ
ならない箇所もあるのだ。
海外で森林をつくることも大事だが、
国内も同じ気概で取り組んでほしいと思う。