ものの多い時代だからこそ

できるだけシンプルな生活がしたいと思う。
食料品以外のものは、毎日買って家に持ち込むもの以上のものを
毎日捨てないと毎日少しずつ家のものが増えることになる。
ぼくが15年前ぐらいに東京に出てきたとき、
実家から持ち出したものは引越し屋のにいちゃんたちが
ものの5分で運び出していった。
それがいまはどうだ。
一緒に暮らす住人が総勢3人になったせいもあるが、物で溢れている。
前回の引越しでは引越し屋にお願いしなかったので、
近年まれにみるぐらいの疲労感に襲われた。
今の時代、「こんな物を持っている」ということはいっさい自慢にならない。
こんな豪邸をもっているとか、こんな外車をもっているなんてことは
いっさい尊敬の対象にはならない。
だからか、お金で買えるものではなく、足で集めるものを集めた人は
尊敬される。(たとえば、瓶の王冠とか・・・)
だから自分も物を所有しようという考えがない。
すべての物は土に返るか、消滅するものだと思っていて、
目に見える、手で触れられる物以外のものを大切にしたいから。


そんなふうに思っているけれど、子どもに関する物はそうもいかない。
チャイルドシートから、細々としたおもちゃにいたるまで、
ありとあらゆる便利なグッズが市販されている。
もうほんとうに「こんなものまでが」というものがある。
最近の子どもは6つの財布をもつという。
自分の両親で2つ、両親の親(祖父母)で2つ、両親の兄妹(おじおば)
で2つである。
これらから怒濤のプレゼント攻撃をされる。
ぼくとしては、一つひとつのものを大事にしてほしいから、
極力おもちゃなどは少なくしたいと思う。
でも、おじいちゃんおばあちゃんたちの「買ってあげたい」という
思いも非常にわかるので、どうしたものかと思う。
この点、悩む親御さんは多いのではないですか。
最初は喜んでいた子どもも物が小さくなったり、金額が少なくなると
「ふん」といったきり見向きもしなくなる。
そういうのだけは避けたい。
先日、義弟夫婦が子ども二人を連れてきていう。
「おじいちゃんとおばあちゃんには、面倒でもプレゼントを
直接渡してもらうようにしている。そうしないと感謝しないから」
その通りだと思う。お金をもらって「何か買ってあげて」といわれ、
「これはおじいちゃんにもらったお金で買ったんだからね」といくら
いっても子どもには通じない。
手渡してもらった人からもらったと感じるものなのだ。
もらった人に感謝し、それを必ず使い、大事にする。
できればあとで感想を述べる。そうするとまた次もくれるのだ。
まあ、かくいう自分もそのことを忘れそうになるのだけど・・・。
やっぱりそれにはまず親の自分が実践することですよねぇ。