岡山の県北に美作市という風光明媚な土地がある。
観光の目玉はなんといっても温泉で、その名も湯郷温泉である。
日本三大露天風呂といわれる湯原温泉と人気を二分する温泉地だ。
湯郷ベルという女子サッカーのチームがあることでも知られる。
岡山が地元ながら、この地を訪れるのは初めてだった。
19歳までしかいなかったから、若いころは温泉より「街」だもんね。
いまとなっては温泉でゆっくりがいい。
行った宿は「季譜の里」。
全館たたみ敷きで、スリッパなしで移動できる。
小さな子どもがいる場合のプランでは貸切風呂が予約できるのだが、
子どもは風呂の「深さ」にビビッてしまい、どんなに抱きかかえて
入ろうとしても嫌がってしまう。
時間が45分間なので、ほとんど湯船につかることもままならなかった。
全体的に料理もおいしく、風呂も風情があってよかった。
風呂から部屋に戻る途中、
ひとりの初老の男性とエレベーターに乗り合わせた。
そこから一気に独演会が始まる。
「普通はエレベーターがふたつあるもんじゃがここはひとつしかない。
でも、ワシはここに10回ほど来とるが、料理はおいしいよ。
あと、お風呂がもうひとつ風情がないわな。
水車のひとつもつければええのよ。ワシは経営者に言うたことがある。
でも、旦那さん、ここは料理はおいしいよ・・・」
適当に話をいなしてやりすごし、夕方、私の両親と5人で食事した。
すると、大浴場で私の父は「ワシ氏」からまったく同じ話を聞いたらしい。
たまに「ワシは知っているオジサン」いますよね。
私からすると、エレベーターはひとつで十分だし、
露天風呂も情緒があって、ガチャガチャと水車が回るより落ち着く。
なによりスリッパを履いたり脱いだりしなくていいのがよい。
10日は愛知県にある東名高速内の刈谷サービスエリアでも
温泉に入った。こちらは「ハイウェイオアシス」になっていて、
高速道路のサービスエリアで温泉に入れる。
ここは観覧車もあって、夜景が見られたり、温泉施設内に
子供が遊べるスペースがあるなど、とても便利だった。
一般道からも入れるためか、賑わっていた。
今年のお盆にはそうとう混雑することだろう。
やはり温泉はいい。そういうお年頃なのだろう。