移動手段を高速化するほど国土は狭くなる

岡山を車で移動していて気づくのは、車の数が少ないってこと。
今回の帰省で行ったスタジアム、歯科医院、えび飯屋、洋服屋
高速バスのバス停、友人の結婚式が行われたホテル・・・これらがすべて
車で15分圏内にある。
祖母の入院する津山は車で1時間ちょっとかかるが、
あとは20分も車で走れば着いてしまう。
私の実家は、岡山駅まで車で15分、高速のインターまで3分、
空港まで20分のところにある。
距離は結構あるが、車の数が少ないのでスイスイなのだ。
東京の府中だと休日は都心より車が多い。
ちょっと隣の市にいくのにも30分以上かかる。
だいたい平均すると時速30キロぐらいしか出ていない。
下手をすると、家から目の前の橋を渡りきるのに15分かかることがある。
そういう意味では田舎は便利なのかもしれない。
数学者の中には「移動手段が高速化するから国土が狭くなる」という
人もいる。電車の速度が速くなるほど途中の区間はすっとばされてしまい、
開発されない。速度が遅ければ空間を広く使える、というのだ。
なるほど、そういうものかもしれぬ。
人間のサガとして、今後もどんどん移動手段は高速化する。
すると国土はどんどん狭くなって、都市化はどんどん進むだろう。
人々は高い家賃の狭い家に住み、満員電車に揺られて、
人生の何分の一かを車内で過ごすわけだ。
そういえば、知り合いの編集者に、軽井沢から東京まで
通勤することを決めた人がいる。
移動手段の高速化はそういう面ではいいことなのだろう。
それにしても東京の渋滞と電車の混雑は
もっとどうにかならないのだろうか。