月の輝く夜に

30代後半の未亡人が、やっと結婚相手を見つけたが、
彼の実の弟とできてしまうというラブ・コメディー。
知らなかったんだけど、ニコラス・ケイジの若いころの作品だ。
イタリア人たちがアメリカで繰り広げる「すったもんだ」の
お話なんだけど、夫婦とか結婚についての感性に興味深いものがあった。
劇中に出て来るセリフで印象に残ったのがこれ。


「男はなぜ女を追い求めるの?」(女のセリフ)
「さあ・・・死への恐怖かな」(男のセリフ)


まったくもってして示唆に富んだ言葉です。
遺伝子が生き残ろうとする意志の現われ、とでも申しましょうか。
本能って言葉をここではいっちゃいけない。
やはり「死への恐怖」ですよ。なるほどと思う。
登場人物たちは、世の中の規範と自由の中でもがいて、
それでも自分なりに、自分らしく生きる生き方を引き受けていて、
潔いと思った。後味がいいのはそのせいかな。
ゆっくり深夜に観る映画としては、なかなかよかった。