勝ち方を知っている日本野球

野球のWBCを見ていた他の競技の選手たちも自分たちも勝てると
思えたのではないかなと思う。
明らかにパワーの面では日本選手は劣っていたし、
体格でも世界的にみれば小さいほうだ。
勝てたのは足の速さと投手を含めた守備の技術、
それに勝つための戦術だった。
日本では少年野球の普通のレベルでも、サインでスクイズをはずす
投球ができる。試合展開、アウトカウント、ボールカウント、味方の
投手の状態、相手の打者の特徴、風の向き、太陽の位置などすべてを
計算に入れて守備陣形をとる。
日本では徹底して少年時代からこれらのことを叩き込まれる。
つまり、少年時代からかけひきをやっている。
しかも高校野球で一発勝負は体験済みで、プレッシャーにも強い。
日本式のやり方で勝つ術を知っている。
ということは、サッカーやラグビー、バスケットボールや
バレーボールでも同じことがいえる。
これらの競技ではなぜか日本選手の身体能力が取り沙汰される。
フィジカルが弱い、背が低い、運動神経が違う・・・などなどだ。
野球では言われないこれらのことが
なぜこれらの競技では言われるのだろう。
たぶん、敗因はそこではない。
サッカーでのイタリヤやブラジル、ラグビーでのニュージーランド
オーストラリアといった国々では、日本における野球のように
少年時代から勝つ方法、正しいプレーを徹底的に仕込まれる。
そして、彼らは自分たちの民族性にあったスタイルを見つけて
勝ちパターンをつくっている。
イタリアサッカーがなぜボールコントロールではブラジル、
フィジカルではイングランドに劣るのに勝てるのか。
彼らは強固な守備力という、勝ちパターンを見つけられたからだ。
サッカーやラグビー、バスケットボールやバレーボールが
体のサイズや身体能力を負けた理由にしているうちは
明るい未来は見えない。
生まれた国や身長など、努力ではどうにでも
できないものを理由にしてはいけない。
努力でどうにかできるものについてのみ敗因として上げ、
それに向けて努力するべきだろう。
これはどんなことについてもいえることだ。
どこかの国の戦い方をマネするのではなく、
日本式の勝ちパターンを見つけることが必要だ。
WBCを見て、サッカーやラグビーでも世界の舞台で
勝てる日が必ず来ると確信した。