恩返し

ぼくのパソコンにはネタ帳のようなファイルがある。
気になった出来事や記事や、思ったことなどを書きとめておくものだ。
その中の「記憶に残った事件・事故・ニュース」に
こんな話があったのを思い出した。


5月30日付け産経新聞の記事。
茨城県取手市内に住む70代の女性の話だ。
彼女が預金通帳を持って、市役所の岡田さんのところにやってきた。
岡田さんは生活保護の担当者で、昔、この女性が生活保護の申請を
したときに段取りした人だという。
女性は母親と二人ぐらしだった昭和62年ごろ、
自身の病気で生活保護を受けていた。
2年後、病気が治り、職を得たので、生活保護は返上した。
そして、それから20年近くたち、つつましい年金生活で貯めた
100万円を寄付したい、岡田さんに見てほしいと
市役所を訪れたという。
「これで肩の荷がおりました。ありがとうございました」
女性はすがすがしい顔をして帰っていったという。


世の中が悪い出来事ばかりで満ち足りている(ように見える)から、
このブログではできるだけいいことを書こうと思っている。
引用しただけの内容だけど、いい話だからブログに書いた。
こういう話を聞くと、「果たして自分にできるか?」と自問する。
すぐに「できない」と断言する。
いま70代のこの女性が仕事をしていたのも5,6年間ぐらいの話だろう。
すると、少ない年金の中からさらに生活費を削って
恩返しのためにお金を貯めていたことになる。
寄付金は車椅子などの購入にあてられるという。