事故米の危険度は?

事故米のニュースで騒いでいますね。
事故米と知っておきながら、食用に売ったということだと
思うのですが、奇妙なことがひとつあります。
それは多くの報道で事故米の危険性がほとんど語られないことです。
この問題の本質は、インチキをやって儲けたとか、うその表示をした
ということよりも、健康被害が出るかどうかだと思います。
健康被害が出ないのであれば、食品表示に関する法律違反だけが
問題になるはずです。つまり、詐欺ですね。
ところが、一連の食品偽装でもそうですが、健康被害がどれほど出るのか
ということが、ほとんど報じられません。
中国産を日本産と偽っていたというのがボロボロ出てきますが、
その農産物が中国産だから危険という確証がどこにあるのでしょうか。
でも、街角インタビューで「中国産は食べないようにしたいですね」
というのを挟んだりする。あたかもその偽装食品に健康被害
あるかのような話を流しているのです。これでは視聴者は混乱します。
私たちが知りたいのは、偽装された食品を食べたら、
どういう健康被害が出るのかということです。
今回の事故米の件では、農水省が「ほとんど影響なし」と言っています。
この時点で、これは詐欺かどうかを争う問題になったはずです。
なのに、商品を回収するという騒ぎになっています。
偽装を暴くことよりも健康被害が出るかどうかを先に判断し、
出るなら回収、出ないならそのままにしたほうがいいのではないか。
もし事故米で命を落とす人がいるとして、それを知って流通させたら、
これは無差別殺人になります。詐欺と殺人は違うレベルの犯罪です。
私たちはこのことをメディアの情報から選別して、
わかっておかなければならないと思います。
そうしないと、すぐに「そんな商品は買わない」ということになり、
風評被害で、まじめに商売をしている人の生活を脅かすことになります。
メディアは健康被害が出るかどうかは、本当はどうでもいいのでしょうね。
新しい事実をつかみ、それが驚きをもって人々に受け取られればいい、
そう考えているように思えます。
あと、1万人に1人の健康被害がでるかどうかのレベルで
商品を回収すべきかどうかも考えておかないといけないと思います。
これは300年に一度あるかないかの大地震に備えて、それ相当の
強度を持った住宅をすべてつくらなければならないのかどうか、
ということと同じです。どこで線を引くのか、非常に難しい問題です。
食品の安全基準については、日本はちょっと厳しすぎるのでは
ないかと思う節も個人的にはあります。
これを語りだすと長くなるので、今日はこのへんで。