なぜ中国ではつり銭を投げるのか

オリンピックが近づいていることもあって、
中国関係の本をつくっている。
8月に向けてどれだけ多くの中国本が出るのであろうか。
その中でどうやって、埋もれずに目立つ本ができるのか。
ぼくは中国に対しては、サッカー選手のラフプレー以外については
あまり悪いイメージはもっていない。
好きでもないし、嫌いでもない。
ただ、人は好きである。
ぼくが取材で会う中国人は社会的地位も高いので、
まず変な人はいないというのもあるけれど、
それにしても対応のいい人たちばかりである。
あ、中国人の店員で、たまに横柄な態度の人がいますが、
あれはたまにむかっとくることがあります。
中国の店員でいうと、中国に旅行の行った人は、つり銭を投げて
返されるので、驚くという話がある。
事情をよく知る人に聞くと、あれは、昔、銀貨を使っていたときの
なごりなのだという。
銀貨が本物かニセモノか、判断するもっとも簡単な方法は、
お金を落としてみることなのだという。
そのときの音で本物かどうかを判断するのだ。
つまり、客に投げてつり銭をよこすのは、
「ほら、本物ですよ」という意味なのだ。
昔の人がそうやっているのを見ているから、
若い人もそういうものだと思って投げるのだろう。
文化というのは奥深いものである。