遷移と極相

植物の発生には乾性遷移というのがある。
草木が一本もないようなところに、まずコケ類は生える。
そこに一年生の草木の草原になり、
多年生の草木の草原になる。
次に、陽性(下に子供の木が生えない)の低木林になり、
そこに陰性(下に子供の木が生える)の高木林になる。
こうして、荒原から森林へと移り変わるのが、「遷移」である。
陰性の高木林になると、これ以上、遷移は進まない。
これ以上の遷移の進まなくなった状態を「極相」という。
林保護というが、どういう目的で保護するのか明確でないと、
遷移の状態を進めたり、あるいは遅らせることになり、
たとえば、「マツ林」の保護ができなくなる。
森林をどのように利用するかで、遷移の状態を変えてしまうわけであり、
現在が遷移のどの段階にあるのかを見極めなければならない。