濃い味付けばかり

今のお笑い芸人って、無理に型破りになろうと
してるところってないですか?
とくにブレークしたての芸人さんたちにそれを感じる。
「宵越しの金は持たねえ」とか、「二股、三股は当たり前」とかね。
昔の芸人って、芸人をやっていかないと生きていけないような
むちゃくちゃな人が多かったから、芸人ってそういうイメージになった。
でも、いまや大学卒なんか当たり前。
普通の人が芸人になっている。明らかに飽和状態なんですよね。
で、普通の人なのに、芸人は型破りでないといけないと
刷り込まされているから、無理にめちゃくちゃをやろうとする。
なんかそういうのが危なっかしいなあと思う。
濃いキャラばかりがもてはやされるんですよね。
もちろん、普通の人が普通のことを言ってたら、
おもしろくもなんともないのだけどね。
なんかテレビを見ていると、色モノ芸人の奇をてらった捨て身芸か、
タレントのバカ披露合戦クイズ番組ばかりで辟易する。
もうちょっと普通でいいのにね。
カリスマ社長の高橋がなりさんは、
「うまいと感じさせる濃い味は、二流の料理人でもつくれる。
薄味で勝負するとなると、素材選びも、テクニックも重要になってくる」
と言っている。
今、テレビ番組とハリウッド映画とケータイ小説は、
まさに濃い味付けで勝負している。
刺激に慣らされ、「もっと、もっと」ってなってしまってる。
ぼくらが薄味を知覚できなくなってしまっているのかな、とも思うのです。