ジャパン・パッシングだって

いま日本経済は重要な分岐点に立たされている。
いまの政府の政策の流れは、
●大企業減税
●高額所得者優遇
である。
たくさん稼いでくれる企業や個人は、税金を安くしましょう、ということ。
そうでなければ、大企業も高額所得者も海外に行ってしまう。
間接投資も直接投資も、日本には魅力がないというのである。
政府与党は、グローバリゼーションのなかで、
ジャパン・パッシングされることをおそれている。
たぶん、この流れは止められない。
耳に聞こえのいい政策ばかりを吹聴する「最大野党」にも辟易するが、
「与党」にも、この流れを変える気はなさそうだと感じる。
経済鎖国をするのか、全面解放するのか、
分岐点に立たされているとは、そういうことだ。
経済鎖国はありえない。
そうなると、ますます企業格差、個人格差が生まれる。
私たちがそういう政党、政治家を選んだのだからしょうがない。
医療・福祉・教育・安全を重視した大きな政府になるのか、
自己責任型の小さな政府になるのか。
これまでは社会主義国的な要素(規制)をうまく取り入れて、
経済発展してきたが、今後も規制緩和の流れは止まらない。
和洋折衷のような、いいとこ取りの国を目指して右往左往している
「つぎはぎ国家」が、いまの日本ではないだろうか。
ビジョンがないというのは、そういうことである。
政界ビッグバンが起こらない限り、この閉塞感はぬぐえない
という気がしている。