いい人に拾われて

「世の中捨てたもんじゃない」
誰もがそんな感想を持たずにはいられないでしょう。


27日の日曜日。
新年会と称して、独身の友人3人と、友人とその家族3人を自宅に招いて
昼過ぎからホームパーティをしました。
夜になって、赤ん坊もいることだし、出前をとろうということになり、
私たち夫婦も弁当などを注文し、宅配してもらいました。
そこで、私たちの家計で使っているサイフがないことに気づいたのです。
家の中のものをひっくり返して見ましたが、見当たらない。
みんなが来るまえに、コンビニに行ったとき、
どうもその帰り道で落としたようでした。
現金数万円とカード類、妻が独身時代から使っているお気に入りの財布が
なくなったとあって、しばしふたりともパニックになってしまいました。
もう絶対に出てこないものと思い、すぐにあらゆるカード会社に電話し、
使用停止にしました。
幸い、不正な使用はなかったことがわかり、ひとまず安堵して
その日は眠りにつきました。
翌日、電話があり、サイフが届いたと警察から電話が!
聞けば、届けた人は、「持ち主に届けばそれでいいので、連絡先など一切、
教えないでください」と警察に告げて、立ち去ったらしい。
サイフの中身は、そっくりそのまま残っていました。
驚いたことに現金もそのままでした。
かつて一度、自分のサイフを落としたことがあって、そのときは、
サイフは見つかったものの、現金は抜き取られていました。
周りの人の話でも、現金までそのままというのはあまり聞いたことがない。
しかも、お礼も拒否するというのです。
もうなんとお礼を言っていいのやら……。
自分だったら、1割、2割のお礼を見込んでしまったでしょう。
サイフが戻ってうれしいのと同時に、そんな自分が恥ずかしくなりました。
世の中には、いい人がいるのですね。
なんだか気持ちがホッとなった出来事でした。
なんとか感謝の気持ちを伝えることはできないでしょうか?
届けていただいた方、本当に、ありがとうございました。