ホンネとタテマエの崩壊

いわゆる「食品偽装」が連日のニュースを賑わせている。
一部で、「昔はこんなの問題にならなかった」という人がいる。
「みんなやってた」というのである。
なぜ、今になって問題になるのか。
たぶん、そういうタテマエを読み取れない人が増えたからだろう。
昔はホンネとタテマエがきっちりあって、みんな実態はわかっているけど、
タテマエで話が通っていた。
しかし、タテマエを読み取ることができなくなり、ホンネでみんなが
語るしかなくなり、全部を杓子定規で測るようになった。
これもいってみれば、KYなのかもしれない。
数字や目に見えるものばかりで判断しようとした結果、
空気を読むことができなくなってしまったのかもしれない。
もちろん、だからといって偽装がいいというわけではない。
偽装は断じて許されないが、私たち消費者は、賞味期限などは
ある意味でタテマエであると悟らなければならない。
本当に食べられるかそうでないかは、
自分の五感と経験で判断するというということが必要だ。
私たち消費者は企業にバカにされているのだ。
「賞味期限をごまかしたって、あんたたち、わかんないでしょ?」と
思うから、偽装しようと思うわけだ。
自分の身を守ろうと思うなら、こっちが感覚を鍛えたり、
知識を得るなどして、賢明になるしかないのだと思う。