ライターという職業柄、色について意見を求められることがある。
ページのデザインの色味について、「いい感じの色だね?」なんて
ことはたびたびある。
「いい色だ」というのはわかるが、「もっと赤っぽいほうがいいね」
なんて言われるともうだめ。曖昧な返事をするしかない。
ぼくの色盲(いまは色弱というのかな?)の場合は、原色以外の色は
あまりよくわからない。
ぼくがグレーといったのを、緑だと訂正されることもあれば、
茶色と赤がわからなかったり、緑と茶色もたまに間違える。
中間の色になると、だいたい人とは違う色を答える。
そのことに気づいたのは、小学校6年生ぐらいだったかな。
メガネをつくるようになってからのことだ。
で、そのことを意識することはほとんどなかったのだが、
気づいたのは運転免許証の試験のときだ。
あのときは、なんとかごまかして取得できた。
困るのは、地下鉄の路線図を見るとき。
下の凡例と見比べてみるが、どの路線がどれを指しているかわからない。
あれは不便だ。だから、路線に番号がふられるようになったのだろう。
仕事を始めてみると、つくづく「デザイナーの仕事だけはできないな」と
思ったりしたものである。
世の中にはどうしても先天的に不可能な職業というのがあるものだ
と思っていたら、先日、新聞の投書欄に「自分は色盲だけど、絶対に
デザイナーになる! あきらめなければ絶対に道はあると思う」と
書いてあって、勇気付けられる思いがした。
それどころか、そんな自分だからこそできる仕事もあるのではないか
と書いてあった。自信たっぷりの様子がたのもしかった。
もちろん、ぼくはもともとデザイナー志向でないからいいのだけど、
可能性があることを教えられた気がした。
先天的な理由でなれない職業など、ほとんどないのかもしれないですね。