「オレたちの代表」

野球の日本代表が見事、北京五輪の出場権を獲得!
いや、がんばった、よかった。
当初は、選手たちのモチベーションを心配していた。
はっきりいって、プロ野球選手というのは個人事業主で、
シーズンで成績を残して自分の給料を上げることを常に考えている。
基本的には自分のことしか考えていないもの。
そうやって、お金をモチベーションにしている人たちが
国の名誉のために体を張ってどれだけできるのかと思っていた。
前回の五輪で勝てなかったり、WBCアメリカが勝てなかったのも
その辺に原因がある。
サッカーワールドカップのような権威とブランドがない五輪野球では
チームがひとつにまとまるために、お金ではない結びつきがほしかった。
それが今回はいったい何だったのか?
あるとすれば、星野監督に勝たせたいということ。
もうひとつは、「日本球界を盛り上げる」ということ。
日本代表が活躍すれば、シーズンでも注目される。
全国区でない選手は目立てば観客動員に貢献したことで、
給料アップが望める。
そういう大きな視点で見られる選手がどれだけいたかわからないが、
少なくとも前回の五輪代表よりはまとまっていた。
その点、韓国の意気込みはハンパではなかった。
打席で体の近くに来たボールに当たりにいっていた。
ケガでもしたら給料が下がるのに、そんなのおかまいなしであった。
まるで高校野球を見ているようだった。
これまで野球には日本代表といえるようなチームはなかったが、
前回のオリンピック以来、プロ参加OKとなって、
プロからの選抜チームが編成されるようになった。
15年野球をやってきたものからすると、
「オレたちの日本代表」という不思議な気持ちになる。
サッカーのサポーターたちがしばしば「オレたちの……」と
一体感を協調した横断幕を掲げることがあるが、
その気持ちがわかるような気がした。
国を背負うとはそういうことなのだと自覚して
五輪でもいい闘いをみせてもらいたいものだ。